機動力が必要

看護師として看護の仕事を続けていて、病院によっては訪問看護を専門とするステーションがあったりします。
訪問看護の仕事はなかなかタフです。多くの場合、利用者は体を動かすことができません。そうなると、看護もしつつ食事の介助や投薬など、介護の仕事も職掌に入ってきます。さらに、緊急に医療行為が必要になった場合、病院などと比較すると圧倒的に設備が貧弱なので、その場で行える看護を適切に行う必要があります。それを考えると、訪問看護の仕事は、病院などでの勤務で十分に経験を積んだ人でなければ難しいかもしれません。
また、一人の看護師が複数の利用者を受け持っている場合もあります。それぞれの利用者が同じ地域に住んでいれば良いのですが、そう都合良くいくことはあまりありません。
ですので、訪問看護の仕事をする上では起動力が必要な能力となります。徒歩での移動はもちろん、自転車やバイク、場合によっては自動車の運転免許も必須条件と言えるでしょう。
それにしても、実は実際に訪問看護を必要としている人はかなり多いのです。老齢だったり、脳などの疾患によって体が不自由になった人にとって、病院まで出かけることはとても大変な仕事です。可能であれば自宅で看護を受け、必要に応じて対処してもらったりできればと思うのも無理からぬことです。それに、自宅での看護で看護師が利用者の状況を把握しておけば、いざ病院に行く必要が出たときにとても助けになるのです。基本的に訪問看護の仕事は、病院での勤務経験が不可欠だと言われていますが、増加するニーズに対応するためには、新卒の看護師でも訪問看護を行えるように教育しようというこころみが各地で行われています。多くの関係者は、新卒の訪問看護師を実現できない理由は、教育体制が整備されていないことが原因であると指摘しています。
今後は高齢化がどんどん進み、在宅での医療環境の充実は喫緊の課題となっています。実際のところ、訪問看護の仕事を一番学べるのは訪問看護の現場です。今後、若い訪問看護師を増やすためには、複数の組織、例えば大学、訪問看護を行なっている病院やステーション、各地の看護協会が連携して訪問看護を実践で学べる体制と教育プログラムを充実させることが求められています。近い将来、新卒の訪問看護を行える看護師が増えて行けば、潜在的な在宅患者にとって明るい未来が開けるでしょう。

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